子どもの主体性とは?自主性との違いや家庭でできる関わり方を解説

主体性を育てる

「子どもの主体性を育てたいけど、どう関わればいいのかわからない…」

「主体性ってそもそも、何?自主性との違いは?」
 

そんなふうに悩む保護者の方は多いのではないでしょうか。

この記事では、主体性とは何かや自主性との違い、そして家庭でできる関わり方まで、保育の現場経験をもとにやさしく解説します。ぜひ日々の育児に役立ててください。

子どもの「主体性」とは?

主体性とは、子どもが自ら考えて行動する力のことを指します。

たとえば、遊びでロボットを工作で作りたいと考えた子どもがいるとします。作り方はもちろん、ロボットを作るのに必要な物や手に入れる方法を自分で考えて用意し、完成させた。

これは子どもが主体性を持って動いたことになります。

誰かに言われたわけでもなく、自分で意欲をもって行動している姿を「主体性がある」と言います。

「自主性」との違いは?

自主性とは、決められた枠組みの中で率先して行うことです。主体性と自主性の違いは、子どもが“自分で決めたかどうか”が大きなポイントです。

先ほどと同じように、遊びの場面で考えてみましょう。

5歳児の子どもが集団で遊んでいたとします。近くには遊びには入らず、1人で遊んでいる子がいました。

保育士が1人で遊んでいる子にたいして、「みんなと一緒に遊ぶ?」と声をかけると、子どもはその集団と遊び始めました。

この事例では、「みんなで遊ぶ楽しさを味わってほしい」という先生の意思を子どもがくみ取って応じたことになりますから、主体性があるとはいえません。

子どもの行動に、子ども自身が決めたかどうかで判断してください。

主体性が育つと子どもはどう変わる?

主体性が育つと子どもは、以下のように変わります。

  • 自分で考えて行動できる
  • 失敗しても自分で立ち直ろうとする
  • 自分らしさが得られる
  • 協調性が育まれる

我が子の成長を願う保護者の方には、「ぜひこうなってほしい!」と思う姿が多いのではないでしょうか。

主体性が育つとどうなるの?と疑問に思っていた方は、ぜひ読んでください。

自分で考えて行動できる

主体性のある子どもは、自分で考えて行動する力が身につきます

やりたい気持ちを尊重された子どもは、自分で目標に向かってどのように解決できるかを考えて行動できるのです。

反対に、なんでもすることを決められている子はどうなるでしょうか。

自分で何をしたらいいか考える機会がないため、誰かにいわれないと行動できない子になってしまいますよね。

子ども自身が「どうしたいか」を持ち、それに向けて工夫しながら行動する——そんな力こそが、主体性の現れです。

失敗しても自分で立ち直ろうとする

主体性がある子どもは、失敗してもあきらめずに挑戦する姿勢を持つようになります。うまくいかないことすらも糧として、自分を立て直す力を身につけるのです。

失敗しても挫けない理由は、やりたいことにとことん取り組んで、失敗しながらも試行錯誤してきた経験があるからです。

粘り強さも身についているため、目標達成に向けて頑張れます。

自分らしさが得られる

自分らしさが得られることも、主体性がある子の特徴です。

主体性が育まれている場合、自己肯定感も高い傾向にあります。

なぜなら、自己肯定感こそが主体性を育むための土台でもあるからです。

そんなありのままの自分を大切にされてきた子どもは、「自分は自分のままでいいんだ」という考えを持っています。

また、やりたい気持ちを尊重されてきたことで、知識や経験が豊富になり、個性として発揮できることがあります。

主体性のある子は、自分らしく生きていけるのです。

協調性が育まれる

意外かもしれませんが、主体性がある子どもほど、他者への理解も深まります

先ほど出てきたように、主体性がある子は自分らしさを持っているもの。

自分らしさを持っている子は、相手にも「らしさ」があると理解できるため、尊重できます。

そもそも協調性とは、自分と異なる意見や価値観を持つ人たちと協力して目標達成に向けて取り組めることができます。

話し合いの場では、自分と相手の意見をすり合わせて、決めていけます。

主体性があってこそ協調性が育まれていく、ということですね。

子どもの主体性が育つ関わり方

子どもの主体性が育つ関わり方は、3つあります。

  • 子どもの「やりたい」を尊重する
  • 子どもに選ばせる
  • 子どものすることを見守る

どれも簡単なようで、日々の育児の中では難しくも感じるものです。ですが、子どもの主体性を育むためには大事な関わり方になります。

無理なく実践できるような関わり方もお伝えするので、ぜひ参考にしてください!

子どもの「やりたい」を尊重する

子どもの主体性を育むためには、「やりたい」という気持ちを尊重しましょう

子どもは、自分のやりたいことに挑戦するときこそ、集中力が高まり、困難にぶつかっても解決しようと頑張ります。

保育園で働いていたとき、ある男の子が「牛乳パック積み木」に挑戦していました。大きくて重たい積み木を、工夫しながらどんどん積んでいきます。

高くなって手が届かなくなると、自分で踏み台を見つけて再チャレンジ。倒れて「もう!」と悔しがることもありましたが、それでもあきらめませんでした。

何度も失敗してもがんばれたのは、「やってみたい!」という気持ちがあったからこそ。自分で始めた遊びだから、最後までやり抜けたのです。

家庭で実践するには、まずはお子さんの興味や発達段階を知るとよいでしょう。

「子どもが興味を持っていることは何か?」

「どれぐらいならできる?」

それに合わせておもちゃを用意したり環境を整えてください。おもちゃのレベルは子どもが頑張れば達成できそうなものがよいです。

「我が子の興味があるものがわからない・・・」

という方は、探しに行くのもおすすめです。

体験活動やレジャーなどを活用して、どのようなことに興味を持つのか探ってみてください。

子どもが「やってみたい」と思うことはどんどん体験させましょう。

やりたいことに挑戦すると、集中力や自分で考えて解決する力が育まれ、主体性が養われていきます。

▶今日からできるワンポイント:「やりたい!」という気持ちを尊重して、見守ってみましょう!

子どもに選ばせる

子どもにさまざまな場面で選択させることで、主体性が育ちます。

自分でさまざまなことが選べると、子どもは「1人の人間として尊重してもらえている」と感じて自己肯定感も高まります。

自分で選ぶ経験が豊かになれば、考える力が身につきますし、選んだ結果にたいして責任を持つようになりますよ。

まずは生活の中で、子どもに選んでもらう機会を作りましょう。

たとえば、今日着る服や遊ぶこと。ささいなことでも自分で選ぶと、意欲に繋がります。

お子さんが小さく、はじめから選ぶことが難しい場合は、「どっちにする?」と聞いてみてください。

簡単なことから選ぶ機会を作り、自分で考える力を養うことで、子どもの主体性はグングン伸びていきますよ!

▶今日からできるワンポイント:朝の服やおやつの種類などを「どれにする?」と聞く習慣をつけてみましょう。

子どもの行動を見守る

子どもの主体性を育てるためには、することを見守ってください

つい、手や口を出したくなる気持ちはわかりますが、それでは子どもの成長の機会を奪ってしまう恐れもあります。

子どもがすることは、大人からすれば遠回りに見えるかもしれませんが、助けたくなる気持ちはグッと我慢して見守ってください。

時間がかかっても、自分でやり遂げることで達成感や自信を得られます。

失敗することもあるでしょうが、子どもにとってはよい機会です。

「どうしたらいいのか?」

「なんで間違ったのか?」

子どもが自分で気づいたときが学びの瞬間です。

どのようにすればいいのか試行錯誤するので、自分で考える力や解決する力が育まれます。

子どもには「難しかったら言ってね。」と声をかけて見守るようにしましょう。

気をつけてほしいのは、子どもの年齢や発達によっては少し手助けが必要になる場面もある点です。

完全に助けないのではなく、難しい部分は手伝い、子どもにできるところはやってもらうと達成感を味わえます。

忙しくてすべてを見守っていられない場合にも、部分的に手伝うことをおすすめします。

その場合は、子どもの発達を考えて、手伝うところと見守るところを分けるようにしてくださいね。

主体性を育むために、できるかぎり子どものやることは見守りましょう。

▶今日からできるワンポイント:困っていてもすぐに手や口を出さずに、「どうしようか?」と問いかけてみましょう。

まとめ:子どもの主体性は日々の関わりから育つ

主体性がある子どもは、自分の「やりたい!」と思うことにどんどん挑戦していきます。

自主性との違いは、子どもの行動に意思があるかどうかで見分けが可能です。

主体性が育つと、自分で考えて行動する力や、失敗しても立ち直る力が身につきます。

また、自分らしさを大切にできるため他者への理解も深まり、周りとも協力して生きていけますよ。

「主体性を育てるのって難しそう…」と思うかもしれませんが、日々の小さな選択や声かけの積み重ねが、子どもの主体性を育む土台になります。ぜひ、ご家庭でもできる範囲で取りいれてみてくださいね!

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